【論文】公認心理師・臨床心理士養成課程における社会正義を実現するためのコンピテンシー養成を目指した授業実践

「公認心理師・臨床心理士養成課程における社会正義を実現するためのコンピテンシー養成を目指した授業実践」という論文が北海道大学大学院教育学研究院臨床心理発達相談室紀要に掲載されました。



この論文は,社会的排除を経験しているクライエントへの心理支援に関する,心理支援者のコンピテンシーを養成することを目指した大学院における授業実践についてまとめたものです。

近いうちに北大学術成果コレクション(HUSCAP)上で本文をお読みいただけるようになる予定ですので,公開され次第,情報を掲載します。



【要旨】

従来、心理支援は個人の内面に焦点化する傾向が強く、社会的文脈を考慮し、さらにはそれ に対して働きかけていこうとする意識や取り組みが欠けていた。海外では社会的文脈を考慮し、 社会正義を実現するための心理支援者のコンピテンシーが重視されるようになっている中で日本でもそうした取り組みが求められるようになっている。こうした中で本稿では、心理支援者の養成課程において社会正義を実現するためのコンピテンシーに関わる教育・訓練がどのように行われ得るのかについての議論を整理するとともに、公認心理師・臨床心理士の養成課程における授業実践を基にしてその効果や課題を検討した。その結果、授業実践を通して、よりマクロな視点の取り組みの必要性は高まる一方で、そうした取り組みを実行することができるというコンピテンシーは十分に高まらないことが示唆され、検討の余地が残された。

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